すべての始まりは、ひとつの点であった。宇宙の誕生以前、時間も空間も存在しなかった時代——ただひとつの「炎点」のみが虚空に輝いていた。その点は見た目にはあまりにも小さく、存在するかどうかすら疑わしかった。しかしその内部には、すべての宇宙を生み出すほどのエネルギーが圧縮されて眠っていた。
第一章:炎点の性質
炎点は単なる物理的な存在ではなかった。それは意志を持っていた。「在りたい」という根源的な欲求が凝縮された存在——それが炎点の本質であった。星神たちの言葉を借りるなら、「炎点とは、宇宙が自らを知りたいという欲望の結晶である」。
「炎点は孤独ではなかった。その小さな炎の中には、これから生まれるすべての星が夢を見ていたのだから。」——古代神話集・第一巻より
炎点の内部では、時間が非線形に流れていた。過去・現在・未来が同時に存在し、それぞれが互いに影響を与え合っていた。これが後に霧神ネブラが宇宙の記憶を保持できる根本的な理由である——ネブラ自身が炎点の一部から生まれたからだ。
第二章:虚空の展開
炎点が臨界点を超えた瞬間、それは内側から崩壊した。しかし「崩壊」というのは正確な表現ではない——それは「展開」であった。折りたたまれていた無限の可能性が一気に広がり、時間と空間が同時に誕生した。
この展開は三段階で起こった。まず「光の洪水」——すべての方向に炎と光が拡散した。次に「影の凝縮」——光と対を成す影が密度を増し、暗黒物質の基盤となった。そして最後に「意識の芽生え」——宇宙そのものが自らを認識し始めた。この最後の段階で、最初の星神たちが生まれた。
第三章:星神パンテオンの覚醒
宇宙の展開から生まれた七柱の星神たちは、それぞれが宇宙の異なる側面を体現していた。ルナは月と悲哀、ソルは太陽と情熱、テイルは彗星と運命、シルヴァは大地と記憶、ネブラは霧と知識、エンブラスは炎と戦い、そして七柱目——その名を失った神は、虚無と可能性を体現していた。
七柱の神々は互いを認識し、それぞれの権能を確立していく過程で、宇宙に七つの法則を刻み込んだ。この法則は今もなお、すべての世界の基盤として機能している。炎点の記憶を持つネブラのみが、この法則の完全な形を知ると言われている。