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星神ルナの涙
銀河が生まれた夜

遥か太古、宇宙がまだ静寂の中に眠っていた時代——星神ルナは銀河の縁に腰を下ろし、漆黒の虚空を見つめていた。その双眸には、失われた愛の記憶が宿っていた。彼女の愛したソラ神は、暗黒の嵐に飲み込まれ、宇宙の果てへと消えていったのだ。

ルナは七千年の歳月をかけて嘆き続けた。その涙は小さな光の粒となって虚空に散り、やがて星々の原型となった。ひとつひとつの涙が凝縮し、核融合を起こし、光を放つ恒星へと変貌を遂げた。そしてその光が重力となり、惑星を呼び寄せ、最終的には銀河という巨大な渦を形成したのである。

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第一節:涙の起源

ルナの涙には、ふたつの種類があった。ひとつは悲しみの涙——それは青白く輝き、冷たい光を宇宙に宿した。もうひとつは怒りの涙——赤く燃え、炎のような熱を発した。この二種類の涙が混ざり合う場所にのみ、生命が芽吹いたと言われている。

「涙の星座」——ルナの悲しみが星となった瞬間の幻視(天上炎流アーカイブより)

第二節:炎の涙と氷の涙

炎の涙が降り注いだ領域には、やがてイグナリアと呼ばれる火の大陸が生まれた。永遠に燃え続ける溶岩の大地と、炎の龍が棲む世界——それはルナの怒りと情熱の結晶であった。

一方、氷の涙が集まった場所は、漆黒の宇宙空間に浮かぶ水晶の世界、ルナリアとなった。月明かりが永遠に降り注ぐ、時が止まったような静謐な王国。そこでは時の流れが異なり、一万年が一夜のように過ぎると言われている。

銀河の誕生

やがてルナは気づいた——自分の悲しみが宇宙を満たし、美しい世界を次々と生み出していることを。その認識は新たな涙を呼んだ。しかし今度のそれは、悲しみではなく、驚きと喜びの涙であった。

喜びの涙は、それまでの炎と氷の涙とは異なる光を放った。金色に輝き、温かく、あらゆる命を育む性質を持っていた。この涙が銀河の中心核となり、恒星系を安定させ、生命の宿れる惑星を数千万個も創り出したとされている。

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第三節:ソラへの伝言

銀河が完成した夜、ルナは静かに立ち上がった。そして宇宙の果てへと消えたソラに向けて、メッセージを刻んだ——銀河の形そのものを。らせん状に渦を巻くその形は、ふたりが抱き合っていた時の姿を模しているという。

そしてルナは言ったと伝えられる。「あなたがどこにいても、この銀河を見上げれば、私の愛がそこにある。星の数だけ、涙の数だけ、あなたへの想いがある。」

今もルナはどこかで微笑みながら、その銀河を見守っている——と、Celestial Ember Driftの語り部たちは信じている。